福岡県の葬式/葬儀の風習

九州最大の都市で、九州地方を代表する存在である福岡県。県内の車のナンバーが「福岡」「筑豊」「北九州」「久留米」と地方ごとに分かれている特徴があることと同様で、各地域によって、葬式/葬儀の風習も異なります。

・「三度回し」が行われること
「三度回し」とは、出棺時に、故人が入っている棺を三度回すことです。棺を回すことは、故人の方向感覚をなくして、「もう、あなたが帰ってくるお家の方向は分かりません。だから迷わず、あの世に行ってください」という、故人を思った意味があります。

・「茶碗割り」が行われること
「茶碗割り」は、「三度回し」と同じく、出棺時に行われます。出棺時に、故人が使っていたお茶碗を割ることで、「あなたが愛用していたお茶碗は、もうありませんよ。だから、未練なく、あの世に行ってくださいね」という想いが込められています。

・「通夜振る舞い」をしない地域が多いこと
福岡県は「通夜振る舞い」をしない地域が多いです。関東地方は、通夜に参列後、参列者と親族に食事や飲み物を出して、振る舞う風習があります。しかし、福岡県は「長居するのは悪いから」と参列後はお茶と茶菓子のみ振る舞われて帰る風習です。
地域によっては、親族だけで葬式/葬儀の打ち合わせもかねて食事をするところもあります。

福岡県の葬式/葬儀の香典と香典返し

福岡県の葬式/葬儀の香典は、他の地域と異なる特徴があります。

・通夜の際に、香典と通夜見舞いを渡すこと
通常、通夜では香典のみ渡すことが主流です。しかし、福岡県は、通夜の際に、香典と通夜見舞いを渡す風習があります。通夜見舞いとは、「（病気で亡くなった場合）入院中にお見舞いに行けなくて、こんな形で会うことになり申し訳ない」という気持ちや、「入院中にお見舞いに行けなかった代わりに」という気持ちで渡されます。

・通夜見舞いはお菓子やお酒などの食べ物・飲み物を渡すこと
通夜見舞いというと、現金を渡す習慣が主流です。しかし、福岡県では、お菓子屋お酒などの食べ物・飲み物を渡すことが多いです。
これは、遺族に、「通夜見舞いを食べたり飲んだりしながら、故人との思い出を語る時間に使ってくれ」という想いが込められています。そうすることで、故人が悲しんだり、寂しがることなくあの世に行けると言われています。

・香典と通夜見舞いのお返しは過多にすること
福岡県では、通夜見舞いをくれた参列者には、過分の香典返しをする風習があります。

福岡県の葬式/葬儀の流れ

福岡県の葬式/葬儀の流れをご説明します。

・葬式/葬儀の流れ
福岡県の葬式/葬儀は、臨終後、通夜→葬式/葬儀→出棺→火葬→骨上げ→初七日法要　という流れが主流です。

・福岡県は「前火葬」と「後火葬」をする地域と分かれていること
葬式/葬儀の流れで、後火葬が主流だとご説明しましたが、地域によって、葬式/葬儀の前に火葬をする「前火葬」をしている地域もあります。福岡県の中心部である福岡市は、後火葬の地域がほとんどです。

・出棺前に「出立ちの膳」をする地域があること
「出立ちの膳」とは、親族が、出棺前に故人を囲んで最後に食べる食事のことを言います。出棺をすれば、もうお骨になってしまいます。出立ちの膳をして、故人と最後に交流する機会を作り。別れをきれいに行い、良い思い出を作るということから始まりました。
出立ちの膳は、出棺時の三度回しや茶碗割りとも同じ意味を持っています。それは、故人が「この世に未練を残すことなく、安心して旅立てるように」という、親族の想いが込められています。

福岡県の葬式/葬儀費用の平均相場

福岡県内でも、地域や葬式/葬儀の規模によって費用は異なります。
今回は、福岡県の葬式/葬儀費用の平均相場と、具体的な費用事例をご紹介します。

・福岡県の葬式/葬儀の平均相場は194万円
◇葬儀一式費用：117万円（式場使用料金、祭壇や当日の運営、棺や湯灌、遺影など）
◇飲食接待費用：29.3万円（通夜振る舞いや出立ちの膳など）
◇寺院の費用：34.3万円（一般的に読経費と戒名費です）

・具体的な費用事例「20名〜50名規模の葬式/葬儀の場合　110万円以上」
◇葬儀一式費用：70万円〜100万円
◇飲食接待費用：10万円〜15万円
◇寺院の費用：30万円前後

・具体的な規模事例「50名〜100名規模の葬式/葬儀の場合　135万円以上」
◇葬儀一式費用：90万円〜150万円
◇飲食接待費用：15万円〜30万円
◇寺院の費用：30万円前後

・具体的な規模事例「100名以上の大規模な葬式/葬儀の場合　205万円以上」
◇葬儀一式費用：150万円〜250マ年
◇飲食接待費用：25万円以上
◇寺院の費用：30万円前後

この他、最近は宗教や宗派の流れにとらわれない「オリジナル葬」や、家族のみで安らかに見送る「家族葬」を利用する人が増えています。
家族葬については、この後詳細をご説明します。

福岡県の家族葬の依頼方法

福岡県で家族葬ができる葬儀屋/葬儀会社や葬儀場は50件以上あります。そのため、それぞれの地域の特徴や風習に柔軟に対応できる葬儀屋/葬儀会社が多いです。
その中で、地域の特徴を取り入れたサービスを行う葬儀屋/葬儀会社をご紹介します。

・福岡県内の直営のフラワーショップで鮮度の高いお花で祭壇や供花をつくること
福岡県内には、鮮度の高いお花を取り扱っているショップがたくさんあります。そういったフラワーショップと直営契約を結び、毎日、鮮度の高いお花を使用して、祭壇や供花をつくる葬儀屋/葬儀会社もあります。
特に、家族葬の場合は、通常の菊やユリを使った祭壇だけでなく、故人が好きだったお花や、故人をイメージするお花を選ぶ方も多いです。例えば、かわいらしい女性であったらピンクのバラやコスモスを使用したり、元気が魅力だった方はヒマワリを使用するなど、季節によって、親族と故人の要望に合わせた対応ができます。
また、フラワーショップと直営契約を結んだ場合、通常より安価にお花を揃えることができるので、費用もお花の分だけ高額になるということはありません。

・エンバーミングに力をいれている葬儀屋/葬儀会社が多いこと
福岡県の葬式/葬儀は、ご臨終の当日あるいは翌日に通夜、その翌日に葬式/葬儀を行うことがほとんどです。そのため、ご臨終が分かってから、葬式/葬儀終わりまで打ち合わせや連絡、当日の進行など対応に追われ、流れるように時間が過ぎていきます。
慌ただしく過ごしていると、「故人を、きれいで、納得がいく状態で送り出せない」ことが多いものです。
そこで、考えられたのが「エンバーミング（生前の姿に近づける保全技術・メイク）」です。
慌ただしい中でも、故人が、きれいな状態で旅立てるように顔や身体を整えたり、メイクを施します。きれいな状態で、家族に見送ってもらう「エンバーミング」に力を入れている葬儀屋/葬儀会社が増えています。

福岡県の葬式/葬儀場の選び方

福岡県で葬式/葬儀を行っている葬儀場・葬儀屋/葬儀会社の数は60件以上あります。
例えば、大手葬儀屋/葬儀会社でいえば、福岡市内で複数の葬儀場を運営している天国社グループや、ベルコシティホールがあったり、地域を限定してサービス展開をしている有限会社みのや葬礼社など、故人と親族が考える、葬式/葬儀のスタイルにあった葬式/葬儀場を選ぶことができます。

また、公営の火葬場が10か所以上あるので、火葬場が併設している葬儀場だけでなく、火葬場の近くに葬儀場があることも多いです。
そのため、火葬場との距離を考えてから葬儀場を決めるより、故人と親族が考える葬式/葬儀場の条件にマッチする葬儀場を選択してから火葬場を決定することをおすすめします。