高知県の葬式/葬儀の風習

高知県には、他都道府県の中でも、特徴的な風習が数多く見られる地域です。

・「いっぱい飯」を用意した釜は初七日まで使用しない
故人の枕元に、茶碗に山盛りにしたご飯に箸を差したものを供えることを「いっぱい飯」と呼びます。この風習自体は全国的にも各地で見られるものですが、高知県泉川地区では、このいっぱい飯を炊いた釜は、初七日まで使用してはいけないというしきたりがあります。

・地域で葬式/葬儀を手伝う「講」という組織がある
高知県では、近所の家10世帯ほどをまとめた「講」という組織があります。同じ「講」に含まれる家で葬式/葬儀を行なうことになった場合、他の家の人間も、葬式/葬儀の手伝いをすることが習わしとなっています。
地域によっては、会社の仕事より葬式/葬儀の手伝いを優先させることが当たり前だと考えられているほど、強い結びつきをもった風習です。

・納棺前日に肉親が添い寝をする風習がある
高知県では、納棺の前日、肉親が故人の横に寝る添い寝をする風習があります。故人が横たわる横に布団を敷き、「川の字」になって寝ることもあるようです。これは、「故人が淋しくないように」という気持ちからきている風習となります。

・納棺時、紋付き羽織を後ろ前にして故人に着させる風習がある
古来より、「死」を日常のものと切り離すため、普段とは逆さまにして物事を行なう風習は、「逆さ事」として、日本各地でメジャーなしきたりとして行なわれてきました。
高知県でも同様の風習が見られます。納棺の際、故人に紋付き羽織を身につけさせますが、高知県では、羽織を後ろ前にして着させることがしきたりとされています。

・納棺時、棺の中に大豆や小豆を入れる風習がある
納棺の際、棺の中に入れるものは、全国的にもさまざまな習わしがあります。高知県では、煮た大豆や小豆を入れることがしきたりとされています。
わざわざ豆を煮てから入れる理由は、「芽（目）」が出ないようにするため。死者が再び目を開けることのないように…つまり、故人の成仏を願う気持ちや、死への怖れから始まった風習であると考えられています。

・出棺時、「仮門」から棺を出す風習がある
高知県では、出棺時、棺を「仮門」から出すという風習があります。玄関から行なわない理由は、人も出入りするところから行なうと、故人の魂がさまよって戻ってきてしまう可能性があると考えられているからです。
仮門は、ワラやカヤ、葦（あし）、青竹などをアーチ状にして作ったもの。縁側や庭先、玄関脇などに作られます。出棺が済んだあとは、ただちに取り壊され、破棄・焼却処分される習わしです。出入り口を破壊することで、故人の魂が無事に成仏できると考えられているのです。

・出棺時に、棺を蹴飛ばす風習がある
高知県では、出棺の際、棺を蹴飛ばすという、かなり変わった風習が見られます。西日本を中心に、出棺時に故人の茶碗を割る「茶碗割り」と呼ばれる風習があります。茶碗を割ることで、「現世に居場所はないのですよ」と、成仏を促すことが理由です。この棺を蹴飛ばす行為も、茶碗割りと同様の理由から行なわれているものとされています。
ただし、棺を蹴飛ばす理由には、故人に魂を戻し、復活させるためであるという説もあります。

・一部地域では土葬が行なわれている
火葬をして埋葬することが一般的になった現代でも、土葬の風習が残っている地域があります。高知県の一部地域も、そのうちの1つです。

高知県の葬式/葬儀の香典と香典返し

高知県では、香典は通夜に参列した際に持参することが一般的です。表書きは宗教・宗派によって異なります。不明であれば「御霊前」が神式・仏式ともに使用可能なものとなります。ただし浄土真宗では「御霊前」は使わず「御香典」と書く習わしです。高知県には浄土真宗の寺院が多いため、事前に確認ができるならば確かめておく方が安心でしょう。
香典返しは3分の1～半返しが一般的です。
香典の相場は、関係性・年齢によって異なりますが、目安は以下の通りです。
近隣の人：3,000円　友人・知人：5,000円　勤務先の同僚、部下：5,000円　勤務先の上司：10,000円　親族：10,000円　身内：30,000円、50,000円

高知県の葬式/葬儀の流れ

高知県は葬式/葬儀後に火葬を行なう「後火葬」が一般的とされている地域です。臨終から葬式/葬儀までの流れの一例は、以下の通りです。

臨終後、葬式/葬儀場に連絡。「死亡診断書」の受取り→自宅へ搬送→主な親戚・会社関係への連絡→ご遺体の安置・枕飾り→葬式/葬儀場との打ち合わせ→寺院への連絡→納棺→通夜→葬式/葬儀→火葬→お骨上げ→初七日法要→精進落とし

高知県では「講」という地域組織が残っている地域のため、葬式/葬儀の受付などは地域住民が手伝うことが多いです。

葬式/葬儀・火葬後には、「精進落とし」と呼ばれる会食の席を設けるケースも、高知県では多く見られます。

高知県の葬式/葬儀費用の平均相場

全国の葬式/葬儀費用の平均相場は、195.7万円という調査結果が出ました。（日本消費者協会実施：「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」（2016年）より）
そして、葬式/葬儀で必要な費用は3種類あります。

・葬儀一式費用（全国平均：121.4万円）
これは、臨終してから自宅あるいは葬儀場まで遺体を運搬する費用、通夜・葬式/葬儀、火葬、骨上げまでに必要な費用のことをいいます。

・飲食接待費用（全国平均：30.6万円）
これは、通夜の後や、葬儀後の火葬中に親族を中心とした参列者にふるまう飲食費用のことをいいます。

・寺院の費用（全国平均：47.3万円）
これは、通夜や葬式/葬儀で儀式を行ってくれる寺院に渡す費用のことをいいます。ほとんどの場合が、読経料と戒名料になります。

上記3種類を合計して、195.7万円になります。
続いて、この3種類の岐阜県の平均相場をご紹介します。

・葬儀一式費用：平均109万円
・飲食接待費用：25.8万円
・寺院の費用：39.2万円
合計156万円、必要だといわれています。

全国平均よりも39万円ほども安くなっています。高知県には、浄土真宗の寺院が多くあります。浄土真宗の場合、その他の宗派よりも戒名代の相場が低い傾向があります。
宗派は各家庭によるため、必ずしも浄土真宗であるというわけではありません。しかし、宗派による相場の違いが、全国平均よりも費用が抑えられている理由の1つなのではないでしょうか。

高知県の家族葬の依頼方法

高知県には、一般葬の葬式/葬儀場の中にも、家族葬に対応した会社が多くあります。どういった葬式/葬儀場の場合も、臨終後、まずは電話連絡をします。いつ人が亡くなるのかはわからないもの。そのため、葬式/葬儀場の大半が24時間365日体制で電話を受け付けています。

＜高知県で家族葬に対応した葬式/葬儀場一例＞
・ベルモニー葬祭（高知市・四万十市）
・平安閣葬祭センター（高知市・四万十市に計3ヶ所）
・室戸セレモニー会館百花（室戸市）

ベルモニー葬祭では、自らの葬式/葬儀スタイルを決めておける「終活ライフサポート」も行なっています。健康な間に自分の希望する送られ方を決めておくことは、あとに残される家族の負担を軽くすることにも繋がります。

なお家族葬を選ぶ際は、「呼ぶ人をどの範囲までにするのか」、「予定していなかった人から参列を希望された際の対応」、「香典や供花の受取りはどうするのか」を事前にきちんと決めておくことが大切です。
ライン引きをしっかり定めていないと、のちのちトラブルが起きてしまう可能性もあります。

高知県の葬式/葬儀場の選び方

高知県には、地元で長年葬式/葬儀を行なってきた葬式/葬儀場が数多くあります。地元に密着した葬式/葬儀場の場合、風習に詳しいことや信頼性の高さがメリットです。

＜高知県の葬式/葬儀場一例＞
・池葬儀屋/葬儀会社（宿毛市）：30年の実績
・ダイゾー（高知市）：創業130余年。高知県で最も歴史の古い葬式/葬儀場

＜良い葬式/葬儀場を選ぶ際のポイント＞
・明細がわかりやすい見積書を出し、しっかりと説明をしてくれる。
・プラン内の明細も開示してくれる。
・遺族の希望を聞き、選択肢を与えてくれる。
・費用を抑える形での葬儀/葬式を希望した場合でも、丁寧に応対してくれる。
・契約を急かさない。強引な営業をしない。

同じ市内にいくつもホールを持っている葬式/葬儀場もあります。同じ会社でも、ホールによって規模や設備などに違いが見られるため、希望に応じた葬儀屋/葬儀会社を選びましょう。