山形県の葬式/葬儀の風習

山形県というと、日本アカデミー賞外国語映画賞を受賞した、映画『おくりびと』の舞台になった街で有名です。映画でも取り上げられましたが、山形県には、昔から伝わる風習が多く残っています。まず、山形県の葬式/葬儀の風習についてご紹介します。

・にぎやかな通夜が行われること
一般的に、通夜というと厳粛な雰囲気で行われるものです。しかし、山形県の通夜は、一般的な通夜に比べてにぎやかに行われます。
山形県の通夜では、「念仏講」「観音講」という地域組織があります。これに所属している女性が集まり、「ご詠歌」という仏教の教えを歌にしたものをうたいます。さらに、宗派や地域によりますが、仏具や、雅楽で使用する楽器を使って演奏をしながらご詠歌をうたうこともあります。

・故人の訃報を伝える「告げ人」という人がいること
電話やメールが普及する前は、誰かが亡くなると寺院や地域住人に訃報を知らせに行く「告げ人」という役割を担う人がいました。「告げ人」は、人が亡くなるという穢れを避けるという意味で、男性2人1組で行動することが主流になっていました。
現在は、訃報の知らせは電話がほとんどとなりましたが、山形県の一部の地域では、今も「告げ人」の風習があるところもあります。

・前火葬をする風習であること
山形県の葬式/葬儀は、前火葬をする地域がほとんどです。前火葬は、通夜が終了した翌朝、葬式/葬儀の前に出棺、火葬、骨上げを行います。そのため、故人のお顔を見てお別れをしたい方は、通夜に参列したり、遺族に連絡をして、出棺前に会いに行くようにしましょう。

山形県の葬式/葬儀の香典と香典返し

山形県は、庄内地方と山形地方と2つに分類されます。平地と山間部というイメージです。そのため、山形県の葬式/葬儀の香典と香典返しの特徴は、地域によって異なる特徴があります。
今回は、山形県の一般的な香典と香典返しについてご説明します。

・香典返しの相場は3,000円〜4,000円のものがほとんどであること
山形県の香典返しの相場は、受け取った香典の3分の1〜2分の1の費用のものをお返しをする風習があります。これは、全国平均の香典返しの相場と、ほとんど変わりません。

・香典返しは即返しがほとんどであること
山形県の香典返しは、葬式/葬儀の受付で香典を受け取り、即返しをするところがほとんどです。
そして、先ほどご紹介した3,000円〜4,000円相場のものをお返しします。
お香典で10,000円以上受け取った場合は、四十九日終了後に再度、香典返しすることが多いです。

山形県の葬式/葬儀の流れ

山形県の葬式/葬儀の流れは、ご臨終→納棺→通夜→（通夜の翌日の朝）出棺→火葬→骨上げ→葬式/葬儀→初七日法要・三十五日法要　という流れが主流です。

・山形県は葬式/葬儀当日に「三十五日法要」をすること
現代は、葬式/葬儀当日に、初七日法要を行う地域がほとんどです。山形県では、葬式/葬儀当日に、初七日法要と三十五日法要（五七日法要とも呼ばれます）を合わせて行う地域が多いです。
三十五日法要は、四十九日法要の次に重要な法要だと言われています。しかし、葬式/葬儀後に、故人が亡くなって七日後の初七日法要、亡くなって三十五日の三十五日法要、そして四十九日法要と合計3回も親族が集まるとなると、難しい現状であることが多いため、葬式/葬儀当日に、初七日法要と三十五日法要を行い、後日集まるのは、四十九日法要だけにするという流れをとる地域がほとんどです。

・初七日法要、三十五日法要が終了後、お斎をすること
お斎とは、法要後の食事会のことをいいます。葬式/葬儀が終わり、法要が終わった後に、親族に食事や飲み物をふるまいます。通夜方葬式/葬儀、法要まで参列してくれた方々のために、感謝の気持ちを込めてふるまうという想いが込められています。

山形県の葬式/葬儀費用の平均相場

山形県の葬式/葬儀費用の平均相場は202万円だと言われています。具体的な内訳は、
◇葬儀一式費用（式場使用料金、祭壇や当日の運営、棺や湯灌、遺影など）：100万円
◇飲食接待費用（通夜振る舞いや、お斎などの食事、飲み物の費用）：25.3万円
◇寺院費用（読経や戒名の費用）：60.9万円

山形県の葬式/葬儀の費用は、全国平均相場である195.7万円と比較すると、−6.3万円となり、全国平均より少し安い、ただ、ほぼ全国平均相場と同様であることが分かります。
そして、山形県の葬式/葬儀の特徴は、寺院費用が、全国平均相場より＋13.6万円も高額であることです。これは、地域や宗派によりますが、故人が臨終後、遺体を安置した際に、寺院の僧侶をお迎えして、枕経をあげてもらうことが多いため、僧侶をお迎えするのが、
◇枕経
◇納棺
◇通夜
◇葬式/葬儀
◇初七日法要
◇三十五日法要
合計6回なので、他の地域と比べて寺院費用が高額になる特徴があります。

山形県の葬儀屋/葬儀会社の一例をあげて、葬式/葬儀費用をご紹介します。
・家族葬の場合：30万円〜50万円
・密葬（親族、親しい友人だけの場合）：20万円〜40万円
・一般葬（約20名の参列者の場合）：35万〜45万円
・一般葬（約20名〜40名の参列者の場合）：40万円〜60万円
・一般葬（約50名以上の参列者大規模な葬儀の場合）：70万円以上
・一般葬（約100名以上の参列者の大規模な葬儀の場合）：90万円以上
・一般葬（参列者も100名以上で、故人の地位や敬意をふまえた葬儀の場合）：100万円以上

山形県の家族葬の依頼方法

近年、家族でゆっくりと時間を過ごし、故人を安らかに送り出す「家族葬」を選ぶ方が増えました。
山形県は、山形全体に葬儀場やホールを展開してている葬儀屋/葬儀会社よりも、地域密着で葬儀場・ホール展開をしている葬儀屋/葬儀会社の方が多い特徴があります。
また、ＪＡが運営する葬儀場も各地域にある特徴があります。

＜山形県で家族葬に対応している葬式/葬儀場＞
・富樫葬祭店
・花笠葬祭社
・博善社
・セレモニー大宝堂
・中善社
・武蔵屋むさしセレモニー
・天国社総合葬祭
・光葬儀屋/葬儀会社
・総合葬祭さとう
・第一葬祭社

上記は一例ですが、山形県飽海郡・尾花沢市、上山市・北村山市・寒河江市、酒田市、新庄市、天童市、鶴岡市、長井市・南陽市・西村山郡・西置賜郡・西田川郡、東村山郡・東置賜郡・東田川郡・東根市、村山市・最上郡、山形市、米沢市の各地域に5つ以上の葬式/葬儀場があるので、故人と家族が1番納得する、満足する家族葬ができる葬式/葬儀場を選ぶことができます。

山形県の葬式/葬儀場の選び方

先ほど、山形県は、地域密着型の葬儀屋/葬儀会社、葬儀場が多くあることをご紹介しました。
山形県の葬式/葬儀場の選ぶ際のポイントは、

・葬儀屋/葬儀会社の規模、実績を見ること
先述した通り、山形県の葬儀屋/葬儀会社は、山形県全体にホールや葬儀場展開をしているところよりも、一部地域に密着した葬儀屋/葬儀会社が多い特徴があります。そのため、特定の地域の実績数や、どれだけ地域に寄り添ったり、風習を交えた対応ができるかなどが明確に分かるものです。
葬儀屋/葬儀会社、葬儀場を選ぶ際は、葬儀屋/葬儀会社の規模や実績を見て、「安心してお任せしたい」と思えるかどうかを試すことをおすすめします。

・葬式/葬儀の費用の詳細を明確に説明してくれる葬式社/葬儀場にすること
山形県の葬式/葬儀は、寺院費用が高額であることが多いとご説明しましたが、その他の葬儀一式費用は、全国平均よりも安価な特徴があります。
これは、山形県の葬儀屋/葬儀会社・葬儀場の費用が安価に設定されていることもありますが、費用を押さえた葬儀（家族葬や密葬）などを希望する人が多いということです。
そこで、葬儀屋/葬儀会社や葬儀場を決定する際に、安価なプランでも、嫌な顔をせずに、誠実に対応してくれる、そして、安価なプランでも内訳を明確に説明してくれる葬式/葬儀場を選ぶようにしましょう。