島根県の葬式/葬儀の風習

葬式/葬儀には、火葬を先に行い、遺骨で「骨葬」を行う「前火葬」と、火葬をあとに行う「後火葬」との2種類があります。地域によってどちらが主流であるのかに違いが見られますが、島根県では前火葬と後火葬とが混在しています。前火葬は、主に松江市や出雲市で見られる火葬です。
その他、島根県には以下のような風習・しきたりが見られます。

・大安の日には葬式/葬儀を執り行わない
全国的に友引には葬式/葬儀を行わないことが多いですが、島根県出雲市では大安の日にも葬式/葬儀を避ける風習があります。
この理由は、市内にある出雲大社を死で汚さないためだとされています。

・通夜のことを「夜伽（よとぎ）」と呼び、時間が決められていない
島根県では、通夜のことを「夜伽」と呼びます。夜伽とは、一晩中寝ずにそばにいるという意味の言葉です。故人に夜中付き添うという気持ちの表れであると考えられます。
また、島根県の一部地域では、通夜の開式・閉式時間が決められていないところがあります。昔は自宅葬が一般的だったため、弔問客は喪家に直接、焼香を上げに訪れることが慣習とされていました。結果的に夜通し通夜をやっている状況となります。「夜伽」という言葉の意味と合致しているわけです。
また、出雲地域などでは、通夜は家族のみで執り行う「家族通夜」とし、一般弔問客の参列は控えるという慣習も見られます。

・葬式/葬儀後に赤飯をふるまう
島根県では、通夜後の通夜ぶるまいや葬式/葬儀後の精進落としなどの会食で、会葬者に赤飯をふるまう風習があります。
理由には諸説ありますが、故人が長寿での往生だった場合、そのことを祝うという説。また、厄除けの色として使われてきた赤である赤飯を出すことで、参列者の魔除け・厄除けを願うという説。葬式/葬儀後に赤飯を食べることで、「弔事は終わり、平時に戻る」という意味があるという説などがあります。

島根県の葬式/葬儀の香典と香典返し

島根県には、出雲大社のお膝元である出雲市があります。そのため、地域によって主流となる宗教に違いが見られることが特徴です。香典の表書きは、神道の場合、「玉串料」が最適です。その他の地域では「御仏前」、「御香典」を使用する地域が多いですが、浄土真宗の場合は「御仏前」は不適切となりますので、注意が必要です。また、キリスト教の場合は「御霊前」となります。
香典の相場額は故人との関係性により異なります。隣近所や友人、職場関係の場合は3,000円、5,000円が相場となります。（上司の場合は10,000円という場合も）
親族は10,000円程度、身内の場合は自分の年齢に応じて、30,000円、50,000円、100,000円など相場は変動します。
島根県では、出雲市の一部地域など、同じ町内の参列者に対しては香典返しをしない地域もあります。（町外の人には行う）これは、町内の人間同士、相互扶助（お互い様）という精神に基づいている慣習だと考えられます。なお、こういった地域では、葬式/葬儀に際し、町内会から葬儀委員長を立てるケースも見られます。
香典返しを行う際は、忌明け法要後に送ることが一般的ですが、現代ではそれ以前や葬式/葬儀の際に返す「即返し」を選ぶケースも増えてきています。

島根県の葬式/葬儀の流れ

島根県では、先述したとおり、「前火葬」と「後火葬」が混在している地域です。また、神式と仏教式など、宗教の違いにより、葬式/葬儀の種類、参列マナーもさまざまです。ここでは「前火葬」で行う、一般的な仏式の葬式/葬儀の流れを見ていきましょう。

臨終、葬式/葬儀屋/葬儀会社に連絡→葬式/葬儀屋/葬儀会社がお迎え、自宅や安置施設へ搬送→枕飾り設営、町内会長へ連絡→寺院に連絡、枕経（念仏）→見積もり、打ち合わせ→関係者に連絡→祭壇の設営→納棺→通夜→出棺→火葬→お骨上げ→遺骨を祭壇にお迎え→葬式/葬儀→埋葬→仕上げ（会食）→隣近所への挨拶まわり（翌日）

後火葬の場合は、火葬の順序が葬式/葬儀のあととなります。また、通夜を家族のみで執り行う地域もあるなど、違いがあります。
葬式/葬儀・告別式の流れは以下の通りです。

＜前火葬の葬式/葬儀の流れ一例＞
着席→弔電拝読→僧侶入場→開式→読経→喪主焼香→親族代表焼香→喪主挨拶→焼香→閉式→埋葬→仕上げ（精進落とし、会食のこと）

島根県の葬式/葬儀費用の平均相場

葬式/葬儀費用は、3つの内訳によって成り立っています。「葬式/葬儀自体にかかる費用」、「接待関連費用」、「宗教関連費用」の3つです。
「葬式/葬儀自体にかかる費用」は、主に葬式/葬儀屋/葬儀会社に支払う費用です。祭壇や棺の準備や、ホール代、搬送代などが含まれます。喪服など、服装のレンタル代がかかる場合も。また、プランによっては葬式/葬儀屋/葬儀会社に、含まれていなければ業者側に支払う、火葬代などもあります。
「接待関連費用」は、香典返しのほか、通夜ぶるまい、仕上げ（精進落とし）など、飲食代です。
「宗教関連費用」は、仏教の場合の布施です。主に読経代や戒名代となり、宗派や戒名の種類により、相場は変動します。
こうした費用の平均相場を、日本消費者協会がアンケート調査を行っています。第11回（2016年）の「葬儀についてのアンケート調査」の結果を、全国平均と島根県の平均相場とで比較してみましょう。

・葬式/葬儀自体にかかる費用　全国：121.4万円　島根県：95万円
・接待関連費用　全国：30.6万円　島根県：14.2万円
・宗教関連費用　全国：47.3万円　島根県：42.6万円
全体額　全国：195.7万円　島根県：163万円

差額は32.7万円という、大幅に島根県の平均相場額の方が低いという結果となりました。全国的に、接待費用は東に行くほど参列者全員に対してしっかりやり、西に行くほど簡素化する傾向があります。また香典返しをしない地域もあるため、接待関連費用が低いのだと考えられます。
また、葬式/葬儀を自宅で行う自宅葬や、自治会館で行う会館葬も多く、そういった場所は葬式/葬儀費用が低い場合が多いです。この理由から葬式/葬儀自体にかかる費用が大幅に削減されているのではないかと考えられます。

島根県の家族葬の依頼方法

現代の葬式/葬儀は様変わりをしています。従来のお寺・神社に依頼しない無宗教者のための自由葬、墓に埋葬しない樹木葬や海洋葬などの散骨、葬式/葬儀を行わない直葬を選ぶ人も出てきました。自宅葬や社葬が当然のこととされてきた中、自分自身で葬式/葬儀屋/葬儀会社に生前予約をする終活も人気です。
家族葬もそういった流れの中で需要が高まっている葬式/葬儀の1つ。参列者を家族や友人など、限られた人数に絞って行う葬式/葬儀です。島根県でも、さまざまな葬式/葬儀屋/葬儀会社が家族葬向けのプランを用意しています。

＜島根県で家族葬に対応した葬式/葬儀場＞
・株式会社博愛社（松江市）
・株式会社公善社（出雲市）

家族葬を行いたい場合も、まずは葬式/葬儀屋/葬儀会社に電話をすることになります。家族葬プランを用意している葬式/葬儀屋/葬儀会社の場合は、打ち合わせや見積もりもスムーズに進めることが可能です。
自宅葬を行いたいけれど、自宅では厳しい…という方には、公善社の「セレモール出雲・東館」など、1日1組限定の貸切施設を選ぶことをおすすめします。
自身の葬式/葬儀にこだわりがある場合は、エンディングノートや遺言で希望を形にし、家族にも知らせておくということにも気を配れると良いでしょう。

島根県の葬式/葬儀場の選び方

近年、葬式/葬儀屋/葬儀会社は葬儀プランを設けているところがほとんどです。利用者側にも便利なプランですが、葬式/葬儀屋/葬儀会社の選び方として、プラン任せしないことが大切なポイントとなります。
明細の提示を求め、追加支払いが発生しないのか、どこまでがプランに含まれているのかをしっかりと確認しましょう。
強引な営業はされたくない人は多いでしょう。利用者側に立場に立ち、丁寧に希望を聞き入れてくれるところを選びたいものです。

＜島根県の葬式/葬儀場一例＞
・JAいずも葬祭センター（出雲市）
・哀悼センター鳳明殿（益田市）
・株式会社博愛社（松江市）

島根県では、ホール葬のほか、自治会館葬や自宅葬など、さまざまな種類の葬式/葬儀を選ぶ慣習があります。希望の形に対応した葬式/葬儀屋/葬儀会社を選びましょう。
葬式/葬儀屋/葬儀会社には斎場を複数所持しているところもあります。斎場の選び方のポイントは、アクセスの良さや周辺宿泊施設の有無、斎場内の設備など。
時間のある生前に事前相談をし、申し込みまで済ませておくことが可能な葬式/葬儀屋/葬儀会社も増えています。評判や口コミ、ホームページ内のお客様の声をチェックし、数社で比較検討を行いましょう。