宮城県の葬式/葬儀の風習

宮城県の葬式/葬儀には、特徴的な風習・しきたりが多くあります。

・葬式/葬儀前に火葬を行う「前火葬」が一般的
宮城県では先に出棺・火葬を行ったあと、遺骨で葬式/葬儀を行う「骨葬」が一般的。葬式/葬儀後に火葬を行うことを「後火葬」と呼ぶことに対し、先に火葬を行うことを「前火葬」と呼びます。
宮城県の他、東北地方は「前火葬」の場合が多いです。東北地方は、昔は交通の便が悪く、また冬は雪深くなる地域のため、親族がすぐに集まることが難しい地域でした。そのため、遺体が傷んでしまう前に火葬を先に済ませてしまうようになりました。
前火葬の場合、通夜・葬式/葬儀後に故人に対面することができないため、対面を希望する場合は訃報を聞いた段階で遺族に火葬のタイミングを確認することが必要です。

・会社よりも葬式/葬儀の手伝いが大事。「隣組」制度がある地域がある
宮城県には、近隣10件程度の家を1単位として、葬式/葬儀を手伝う「講」と呼ばれる組織制度があります。この組織の始まりは、戦時中に国が主導して行った「隣組」制度。
現代では、都市部を中心にすでになくなっている制度ですが、宮城県など、一部の地域にはさまざまな名称で残っています。
「講」に属する家に不幸があった場合は、他の家の人間も葬式/葬儀を手伝うことが習わし。会社の仕事を休んでまで手伝うことが当たり前とされている地域もあります。地域に根ざした企業の場合、「講」制度に理解があることも多いため、葬式/葬儀の手伝いで会社を休むことに寛容な場合が多いです。

・通夜ぶるまいに「白ぶかし」を食べる
通夜後、参列者に食べものをふるまうことを「通夜ぶるまい」と呼びます。地域により形式や呼び方はさまざま。
宮城県では、この通夜ぶるまいに、「白ぶかし」を食べる風習があります。「白ぶかし」とは、小豆の1種である「白ササゲ豆」を入れたもち米をふかして作ったもの。おこわの1種です。
全国的に通夜後におこわを食べる風習は多く見られます。これは、土葬が主流だった時代、翌日の土葬作業に対する体力をつけてもらうために始まったものだと考えられています。

・出棺時、男性は白い三角の布、女性は白い頭巾をかぶる
幽霊が額につけている三角の布といえばイメージがしやすいでしょう。この布には「宝冠（ほうかん）」、「天冠（てんかん）」など、地域により呼び方が多くあります。宮城県では、「天冠」と呼び、出棺時、男性が額につける風習があります。また、女性は白い頭巾をかぶります。もともと故人の装束の1つだった「天冠」を会葬者も身につけるようになった理由は、故人と同じ格好をすることで、「故人が旅立つまで共に見送ります」という説があります。

・宮城県北西部では土葬をする風習が残る地域がある
現代の埋葬方法といえば、火葬をイメージする人が多いでしょう。しかし、現代でも地域によっては土葬が行われています。宮城県では北西部地域で土葬の風習が残っています。

宮城県の葬式/葬儀の香典と香典返し

宮城県では、通夜・葬式/葬儀の際、香典とは別に、「お悔やみ」として1,000円～2,000円程度を包む地域があります。これは通夜後に行われる「通夜ぶるまい」に対して渡すものとされています。
香典に包む金額は、故人との関係性・贈り主の年齢によって変わってきます。目安は以下の通り。
近隣の人：3,000円　友人・知人：5,000円　勤務先の同僚、部下：5,000円　勤務先の上司：10,000円　親族：10,000円　身内：30,000円、50,000円、100,000円
また香典返しですが、宮城県では一般的に香典の額の半額ほどを返す「半返し」が一般的です。葬式/葬儀当日に渡す「即返し」、葬式/葬儀後に用意して渡す「後返し」の両方がありますが、後返しの場合も、四十九日までを目安に、できる限り早く済ませるようにしましょう。

宮城県の葬式/葬儀の流れ

宮城県の葬式/葬儀は、「前火葬」の地域が多いです。そのため、葬式/葬儀後に火葬を行う流れとは順序が異なります。前火葬の場合、葬式/葬儀の流れは以下の通りです。
ご臨終後、葬儀屋/葬儀会社へ依頼
↓
ご遺体を自宅などに安置、枕飾り（宗派による）を施す。（仮通夜）
↓
葬儀屋/葬儀会社との打ち合わせ、火葬手続き
↓
ご遺体を清拭、着替え後、納棺
↓
出棺
↓
後飾り
↓
火葬
↓
通夜
↓
葬儀/葬式
↓
納骨
↓
還骨法要（初七日法要を繰り上げて同時に行う場合も多い）、精進落とし
↓
遺族自宅にて遺骨の安置
↓
忌明け（四十九日）

また、通夜、葬式/葬儀の流れは以下の通りです。

＜通夜の流れ一例＞
開式
↓
読経
↓
焼香
↓
喪主挨拶
↓
通夜ぶるまい

＜葬式/葬儀の流れ一例＞
導師入場
↓
開式
↓
読経
↓
弔辞・弔電奉読
↓
焼香
↓
導師退場
↓
喪主挨拶
↓
閉式

宮城県の葬式/葬儀費用の平均相場

葬式/葬儀費用は、「葬式/葬儀自体にかかる費用」、「飲食接待費（香典返し含む）」、「宗教者への布施」の3種類の内訳から成り立っています。このうち、布施代を除く宮城県の葬式/葬儀費用の相場は、およそ250万円と報告されています。この金額は会葬者の数により変動します。なお、葬式/葬儀自体の相場は150万円程度。全国平均は130万円程度です。
また宮城県の布施代の平均は49万円程度。（読経料・戒名料・お車代・御膳料）全国平均は45万円程度となっています。

宮城県の家族葬の依頼方法

最近よく目にするようになった「家族葬」。どのようなものかご存知でしょうか。実は、家族葬に明確な定義はありません。故人・遺族の希望によって、「家族のみ」、「家族・親族のみ」、「家族・親族・友人のみ」など、会葬者の数や幅には違いがあります。
宮城県で家族葬を希望する場合は、家族葬に対応した葬式/葬儀場を探しましょう。一般葬を扱う葬式/葬儀場でも対応が可能な場合はありますが、最低人数が30人以上であったり、葬儀場が広い部屋しかなかったりする可能性もあるため、事前確認が必要です。

＜家族葬に対応している葬式/葬儀場一例＞
・セレモール泉（仙台市）
・メモリアルホール菩提樹石巻（石巻市）
他、宮城県では地域のJAの葬祭センターでも少人数での葬式/葬儀を受けつけているところも。場合によっては人数に対して部屋が広すぎるというケースもあるため、人数に見合った部屋かどうかを確認しておくことも必要です。
なお、家族葬を行う際に注意しておきたいことは、親族への周知です。特に家族のみで行う家族葬を希望する場合は、事前に連絡をしておかなければ、のちのトラブルの元となります。故人の遺志である場合なども、訃報の連絡は葬式/葬儀を行う前に迅速に行いましょう。

宮城県の葬式/葬儀場の選び方

宮城県には、各市町村に多くの葬式/葬儀場があります。まずはお住まいの地域に根ざした葬式/葬儀場から探してみましょう。
葬式/葬儀場には、公営斎場と民営斎場の2種類があります。一般的に、公営斎場の方が価格を抑えられるイメージがありますが、民営斎場でも、今は幅広い葬式/葬儀プランから予算に応じて選ぶことができます。公営斎場は希望の日の予約が取りづらい場合もありますので、両方を検討し選ぶようにしましょう。

良い葬式/葬儀場を選ぶ際のポイントは、以下の6つ。
・明細がわかりやすい見積書を出し、しっかりと説明をしてくれる。
・セット料金プランの場合、セット内の明細もきちんと示してくれる。
・遺族の希望を聞き、選択肢を与えてくれる。
・費用を抑える形での葬儀/葬式を希望した場合でも、丁寧に応対してくれる。
・契約を急かさない。強引な営業をしない。
・過去の葬儀例の記録を開示してくれる。

また、参列者のアクセスのしやすさも考慮しましょう。公共交通機関で来ることが可能なのか、送迎サービスがあるのか、駐車場の台数などを確認しましょう。宮城県では、都市部を離れてしまうとアクセスがしにくい葬式/葬儀場もあるため、大事なポイントとなります。また、葬式/葬儀場内の宿泊スペースの有無、近隣のホテルの有無も調べておきたいポイントです。

＜宮城県のアクセスしやすい葬式/葬儀場一例＞
・シティホール仙台（仙台市）：15台収納可能駐車場あり。JR仙台駅より徒歩5分
・シティホール塩竃（塩竃市）：30台収容可能駐車場あり。JR西塩釜駅より徒歩5分
・セレモニーホール名取（名取市）：200台収容可能駐車場あり。JR名取駅より徒歩3分
セレモニーホール名取では、散骨をすることも可能。葬り方にこだわりがある場合、応えてくれる葬式/葬儀場を探すことが必要です。
良い葬式/葬儀場は、こちらの質問に対して、面倒くさがらず丁寧に答えてくれるもの。金額に関する細かな質問や要望にも誠実に対応してくれる葬式/葬儀場を選びましょう。