佐賀県の葬式/葬儀の風習

佐賀県は、佐賀県東部が福岡県、西部は長崎県に隣接し、海は日本海と有明海、2つの海に接している、自然豊かな場所です。また、朝鮮半島まで直線距離で約200kmであるため、かつては朝鮮半島の文化が伝わってくる、海外からの玄関口でした。
そのため、古くから伝わる葬式/葬儀の風習が、今でも行われています。

・「放生」の儀式を行うこと
佐賀県では、「放生（ほうじょう）」の儀式を行う慣習があります。放生とは、捕まえてきた鳥や魚を逃がす儀式のことを指します。
これは、仏教の教えである「放生会」から派生したもので、捕えた生き物を逃がすことで、功徳（よい行い）を積むことができるという意味があります。放生を行うことで、「この世界で良い行いをしたから、あの世で、故人に良いことが起こりますように」という遺族の思いが込められています。

・49個の枕団子をお供えすること
全国的に、遺体の枕飾りで、枕団子をお供えする風習があります。しかし、佐賀県の場合は、この枕団子を49個お供えする慣習があります。これは、故人が臨終してから四十九日目まで三途の川を渡り、7つの審判を突破して、あの世へ向かう長い旅路で毎日ひとつずつ食べられるように、用意されたものだと言われています。

・出棺時に茶碗割りを行うこと
全国的に、出棺時に茶碗割りを行う風習がある地域は多いです。佐賀県も同様で、茶碗割りを行う地域がほとんどです。これは、出棺時に、故人が愛用していたお茶碗を割る風習です。お茶碗を割ることで、「あなたが使っていたお茶碗は、もうありませんよ、だから戻ってきてもあなたのご飯はありません。だから、迷わずにあの世にいってくださいね」という遺族の優しさが込められています。

佐賀県の葬式/葬儀の香典と香典返し

佐賀県の葬式/葬儀の香典・香典返しの特徴は2つあります。

・香典返しは「即返し」をすること
佐賀県の香典返しは即返しすることが主流です。主に、葬式/葬儀・告別式の受付で香典を受け取った際に、約3,000円〜5,000円のものをお返しします。そして、香典で10,000円以上受け取った場合は、四十九日が終わった後に、再度、個別に香典返しを送ります。

・葬式/葬儀・告別式の参列者には「会葬御礼」を渡すこと
佐賀県は、香典返しとは別で、葬式/葬儀・告別式の参列者に「会葬御礼」として500円程度の品物を（ハンカチやタオルなど）を渡す慣習があります。

佐賀県の葬式/葬儀の流れ

佐賀県の葬式/葬儀の流れは、全国的に行われている葬式/葬儀の流れと、ほぼ同様です。
ご臨終→遺体の安置・枕飾り（ここで49個の枕団子をお供えします）→納棺→通夜→通夜振る舞い→葬式/葬儀・告別式→出棺→火葬・骨上げ→初七日法要→精進落とし
の流れが主流です。

また、佐賀県の葬式/葬儀の特徴は、
・出棺前に「出立ちの膳」をする地域があること
「出立ちの膳」とは、出棺直前に、親族が故人を囲んで食べる最後の食事のことを指します。出棺をすれば、故人の姿はなくなり、お骨になってしまいます。出立ちの膳をすることで、遺族にとっては、故人と最後に交流すし、故人との別れが悲しいものではなく、良い思い出にすること、そして故人にとって、「この世に未練を残すことなく、あの世に行けるように」という、遺族の想いが込められています。

・前火葬を行う地域があること
佐賀県では、一般的に後火葬を行うことがほとんどですが、地域によっては前火葬を行う地域があります。前火葬をする場合、葬式/葬儀の際は、故人はお骨になってしまい会えないため、事前に前火葬か後火葬かを確認することが大切です。

佐賀県の葬式/葬儀費用の平均相

佐賀県の葬式/葬儀費用の平均相場は166万円です。費用の内訳は、
・葬式一式費用（式場使用料金、祭壇や当日の運営、棺や湯灌、遺影など）：106万円
・飲食接待費用（通夜振る舞いや、お斎などの食事、飲み物の費用）：19.6万円
・寺院の費用（お寺さんに渡す読経や戒名の費用）：29.1万円
です。

葬式/葬儀費用の全国平均は195.7万円であることから、佐賀県は、全国平均と比較して29.7万円費用が安いです。約30万円近く、費用が安い理由は2つあります。
・飲食接待費用が安価であること（全国平均金額：30.6万円、佐賀県：14.2万円）
佐賀県は、通夜振る舞いや、精進落としで飲食をふるまうのが、親族のみであることが多いです。そのため、他の地域のように、参列者にふるまうことがないため、飲食接待費用が、全国平均額の半分以下という安価な設定になっています。

・寺院費用が全国の地域と比較して安価であること（全国平均額：47.3万円、佐賀県：29.1万円）
寺院費用とは、通夜、葬式/葬儀・告別式の際の読経料、戒名料に必要な費用です。この金額は地域によって、または、寺院とのつながりによって、それぞれ異なるものです。
佐賀県内でも、家庭によって、寺院費用は異なりますが、全体的に他県と比較すると、安価な設定になっていることが多い特徴があります。

佐賀県の家族葬の依頼方法

近年、故人の高齢化が進んでおり、葬式/葬儀・告別式で参列者に気を遣ったり、さまざまな対応に追われるものよりも、小規模で、家族だけでゆっくりとお別れができる家族葬を選択する方が増えました。また、家族葬をしてほしいと故人が望み、遺族がその要望を叶えることも増えました。

＜佐賀県で家族葬に対応している葬儀屋/葬儀会社/葬儀場＞
・九州公善社
・聖文社
・鹿島葬儀屋/葬儀会社
・唐津公善社
・村岡葬儀屋/葬儀会社
・本田葬祭
・南里葬儀屋/葬儀会社
・鳥栖葬儀屋/葬儀会社
・岡葬儀屋/葬儀会社
・飛翔典

佐賀県は、伊万里市、小城市、鹿島市、唐津市、神埼郡、杵島郡、佐賀市、佐賀郡、多久市、武雄市、鳥栖市、西松浦郡、東松浦郡、藤津郡、三養基郡と、かなり細かい区分まで対応している葬儀屋/葬儀会社・葬儀場が30社以上あります。
お住まいの地域に特化したサービス展開をしている葬儀屋/葬儀会社や葬儀場、佐賀県全体にホール展開をしている葬儀屋/葬儀会社など、さまざまです。
故人や遺族の考えや方針と合った葬儀屋/葬儀会社、葬儀場を選ぶことをおすすめします。

佐賀県の葬式/葬儀場の選び方

佐賀県の葬儀場・斎場、葬儀屋/葬儀会社の選び方は2つあります。

・葬儀の種類を自由に選択できる葬儀場・斎場、葬儀屋/葬儀会社を選ぶこと
最近は、宗派にとらわれない無宗教の葬式/葬儀を行う方が増えています。例えば、生前、故人が好きだった食事のお供えをしたり、故人が好きなお花を供えた供花や祭壇をつくったり、音楽を演奏する音楽葬を行うなど、さまざまなスタイルの葬式/葬儀が行われています。
故人や遺族の希望に沿った、葬式/葬儀プランを提供できるところを選ぶことをおすすめします。
また、佐賀県は近くに海があるため、海洋葬や散骨などを希望する方もいます。どのような形でも、故人と遺族の意向を尊重してくれる葬儀場・斎場、葬儀屋/葬儀会社を選びましょう。

・事前相談ができる葬儀場・斎場、葬儀屋/葬儀会社を選ぶこと
最近は、葬式/葬儀が決まる前に、予算などの事前相談をしたり、施設見学ができるところが多いです。いざ、お通夜、お葬式をするとなると、流れるように手続きを行い、時間が過ぎていきます。いざというときに大変な思いをしないために、事前相談ができるところを選択することをおすすめします。
そこで、遺品整理やお墓について、万が一のとき（ご臨終されたとき）の遺体のお迎え、安置施設についてなど、しっかり相談しておくと、安心できます。