香川県の葬式/葬儀の風習

香川県は、葬式/葬儀後に火葬を行う「後火葬」が一般的な地域です。さまざまな葬式/葬儀の風習やしきたりが今も残っています。

・「末期の水（死に水）」を樒（しきみ）で行う
関西・中部・四国地方では、供花に樒を使う地域が多いですが、香川県では、その樒を末期の水の際にも使用するという風習があります。樒は香りが強く、実には猛毒があるため、死者に悪霊が憑りつかないようにする、死臭を防止するために使い始めたと考えられています。
末期の水とは、故人の唇を水で濡らしてあげること。仏陀が死に際したとき、渇きを訴え、水を欲しがったという故事が由来のしきたりです。全国的には脱脂綿を使うことが多いのですが、香川県では樒を使って行うことが慣習です。

・通夜のあとに納棺を行う場合がある
香川県では、自宅で通夜を営む場合、納棺をしない状態で通夜を行うという風習があります。自宅に搬送した際、布団に故人を寝かせますが、そのままの状態で通夜を執り行います。また、香川県には、地域柄、故人の死に顔を他人に見せるべきではないという考えがある地方もあります。そういった地域では一般弔問客にはご拝顔を避け、納棺もひっそりと行うこととされています。

・納棺した遺体にたすきを逆にかける
葬式/葬儀時には、物事を逆さまに行うという慣習が全国的に見られます。死を日常と切り離すために行われていると考えられています。さまざまな形が見られますが、香川県では、納棺した遺体にたすきを逆さにかけるという風習が今も残っています。

・火葬場へ向かう際、近親者の女性は髪に三角の紙を挟む
香川県の一部地域で見られる風習です。三角の紙は、死に際し身に着ける白装束の一部。「宝冠（ほうかん）」と呼ばれるものが変化したものなのでしょう。
死者と同じ、または似た格好をすることで、「三途の川の手前まではお送りします」という気持ちを表しているのです。

・故人の妻は火葬場に行かない
香川県だけではなく、四国全域に見られる慣習です。おそらく、夫に先立たれた妻が「これ以上悲しまないように」ということが由来だと考えられています。しかし、現代では「グリーフ」という死別への悲しみにどう向き合うと良いのかという考え方にも変化が見られ始めています。しっかり向き合う方が後々立ち直りやすいという考えも生まれているので、こうした慣習も変化を見せていくのでしょう。

香川県の葬式/葬儀の香典と香典返し

香川県では、通夜と葬式/葬儀で、香典の表書きを使い分ける習慣があります。通夜では「御悔」、葬式/葬儀では「御香典」を選びます。ただ、こうした習慣も時代とともに移り変わり、現代では他地域と同様、宗教・宗派によって「御霊前」「御仏前」などを使うことも多くなっています。キリスト教では「御霊前」、仏教では「御香典」、神道では「玉串料」や「御霊前」が適した表書きです。
香典額の目安は、一般弔問客の場合、5,000円程度。職場の上司の場合は10,000円を包むことも。親戚は10,000円や30,000円、身内になると、年齢に応じて30,000円、50,000円、100,000円と目安金額が変動します。
香川県では、香典返しを四十九日法要後に渡すことが一般的です。香典返しのほか、葬式/葬儀時に500円～800円程度の品を粗供養品として手渡すことも多いです。

香川県の葬式/葬儀の流れ

香川県は、後火葬が一般的な地域であるとご紹介しました。宗教・宗派によって葬式/葬儀の流れや参列マナーに違いは見られますが、仏式の一般的な流れは以下の通りです。

臨終後、近親者・葬式/葬儀屋/葬儀会社・菩提寺があれば菩提寺に連絡→死亡診断書の受け取り・提出（葬式/葬儀屋/葬儀会社が手配の代行をしてくれる場合も）→葬式/葬儀屋/葬儀会社が寝台車でお迎え→自宅・安置施設へ搬送、安置→枕飾り、僧侶到着後に枕経（念仏）→打ち合わせ、見積もり→納棺→通夜→通夜ぶるまい→葬式/葬儀・告別式→出棺→火葬→初七日法要（繰り上げ）→精進落とし（会食）→後飾り

自宅葬の場合、納棺が通夜後になる地域があるということは、先ほどご紹介した通りです。葬式/葬儀の流れは以下の通り。

＜葬式/葬儀の流れ一例＞
受付→開式→僧侶入場→読経→弔辞・弔電の奉読→焼香→法話→喪主挨拶→お別れ→閉式→出棺→火葬場→収骨→繰り上げ初七日法要→精進落とし（会食）→後飾り

香川県の葬式/葬儀費用の平均相場

葬式/葬儀費用は、3つの費用の合計費用のことを指します。日本消費者協会が行った「葬儀についてのアンケート調査」で、平均相場額が発表されています。（第11回・2016年の結果）

・葬式/葬儀一式費用：121.4万円
・飲食接待費用：30.6万円
・宗教者側の費用：47.3万円
合計金額は195.7万円です。

一方、香川県の平均相場額は、以下の通り。

・葬式/葬儀一式費用：109万円
・飲食接待費用：25.8万円
・宗教者側の費用：39.2万円
合計金額は156万円です。

差額は39.7万円。大幅に香川県の相場額の方が低い結果となりました。3つの内訳のどの費用も全国平均額よりも下回っています。西日本地域全体が会食費用に多額のお金をかけないという特徴がありますし、宗教者側への費用は宗派によって相場が上下するものであるため、低くなっているのではないかと考えられます。

香川県の家族葬の依頼方法

家族葬という葬式/葬儀をご存知でしょうか。近年、選ぶ人が増えてきている新しい葬式/葬儀の形の1つです。一般弔問客を呼ばず、家族や友人だけで行う、少人数の葬式/葬儀のこと。規模が小さくなるため費用も抑えられ、人気が高まっています。
香川県でも家族葬の人気に応じて、家族葬プランを用意する葬式/葬儀屋/葬儀会社が増えています。ベルモニー会館では、香川県内に家族葬専用の「ベルモニー会館　縁（ゆかり）」を7式場用意。そのほか、1日1家族が貸切で利用できる「別邸」も整備しています。近年の住環境では、昔では普通だった自宅葬が難しい家も多いもの。貸切タイプの斎場を選ぶことで、自宅のようなリラックスした環境で葬式/葬儀を行うことが可能です。
依頼方法は一般葬と同じく、電話連絡をすることから始まります。家族葬の場合、本人の意思で選ぶことも多いため、生前予約ができる葬式/葬儀屋/葬儀会社を選んだり、エンディングノートや遺言で希望をしっかり残しておくことも有効です。

香川県の葬式/葬儀場の選び方

現代の葬式/葬儀は時代とともに変化を見せています。従来のようにお寺や神社を介さない自由葬は無宗教者に人気ですし、葬式/葬儀自体がいらないという希望から、そのまま火葬場へ搬送される直葬を選ぶ人も。
埋葬方法にも個性が発揮され、樹木葬や海洋葬などといった散骨を選びたいという人も多くなってきています。そうした傾向から、終活をする人も増加。生前に自ら事前相談に行き、葬式/葬儀屋/葬儀会社の手配や申し込みを済ませてしまうわけです。残される子供などにとっても死後スムーズに執り行えるというメリットがあります。
葬式/葬儀屋/葬儀会社の選び方のポイントは、そうした個々の希望に沿った葬式/葬儀が行えるかという点に加え、誠実な会社を選ぶこと。強引な営業はされたくないという人も多いでしょう。丁寧にこちらの話に耳を傾け、わかりやすい明細とともに、プランの選択肢を提示してくれる葬式/葬儀屋/葬儀会社を選びたいものです。

＜香川県の葬式/葬儀屋/葬儀会社一例＞
・ベルモニー葬祭：県内28会館
・リバーホール河井：東かがわ市
・高松葬儀屋/葬儀会社：高松市

ベルモニー葬祭のように、県内に多数の斎場を持っている会社もあります。斎場の選び方のポイントは、アクセスの良さと斎場の設備、周辺環境の3つ。参列者にとって来ることが容易か、近場に宿泊するホテルはあるのかなどを意識しておくことは大切です。また、社葬のような大規模なものなのか、少人数で行なう家族葬なのかなど、人数に応じたホールが用意できるのかどうかも重要です。
こうした条件を踏まえた上で、さらに評判や口コミ、ホームページに掲載されていることのある「お客様の声」を確認し、数社を比較検討して選びましょう。