岡山県の葬式/葬儀の風習

岡山県は、桃太郎伝説発祥の地としても知られ、大和朝廷が繁栄していた飛鳥時代に、大和地方と並ぶ力があったと言われています。
また、岡山県北部は、鳥取県と隣接しており、山深い中国山地と盆地になっています。そして、岡山県中部は吉備高原があり、南部は瀬戸内海とつながっていて、穏やかな平野が広がっています。
このように、同じ岡山県内でも、地域によって環境も気候も異なります。そのため、葬式/葬儀の風習は、地域によって異なります。
今回は、岡山県全域に共通する葬式/葬儀の風習をご紹介します。


・「放生」の儀式を行うこと
岡山県北部などの山間部や、農村では、「放生」の儀式を行う風習があります。放生とは、故人の子どもや孫が、捕まえてきた魚や鳥を逃がす儀式のことを言います。これは、仏教の教えの中にある「放生会」から派生したもので、捕まえた生き物を逃がすことで、功徳（よい行い、よい経験）を積むことができるという意味があります。故人の子どもや孫が放生を行うことで、故人があの世で良い思いができますように。という想いが込められています。

・火葬をする日に7本の塔婆を立てること
通常、塔婆は、法事やお墓参りの際に、1本立てることが主流です。しかし、岡山県では、火葬の当日に納骨をする場合に、7本の塔婆を用意する風習があります。これを、四十九日まで7日ごとに1本ずつ立てていきます。
塔婆を7日ごとに立てることで、故人が、臨終〜四十九日まで冥土の旅をして、7日ごとに裁きを受けていく過程を表していると言われています。7日ごとの裁きとは、例えば、臨終から14日後は、三途の川にたどり着き、川を渡り始めます。このときに2本目の塔婆を立て、遺族が、故人は無事に三途の川を渡り始めたかな？と思ったり、考えたりするきっかけを作ります。

岡山県の葬式/葬儀の香典と香典返し

岡山県の葬式/葬儀の香典と香典返しも、地域によって違いや特徴があります。

・岡山県西部地方（備中地方）は、香典のことを「くがい」と呼ぐこと
岡山県西部地方は、自然豊かな農村が多くあります。現在の香典は現金を包みますが、かつて、現金の代わりに米を香典としていたなごりが残っていると言われています。

・岡山県の葬式/葬儀の香典返しは「即返し」が基本であること
香典返しは、通夜、葬式/葬儀の際に受け取ることがほとんどです。岡山県の香典返しは、その場で「即返し」が基本です。香典返しは2,000円〜4,000円のものを用意することが多いですが、この費用の倍額以上、10,000円以上の香典を包んでくれた参列者には、四十九日の後に満中陰志として、追加で香典返しをする風習があります。

岡山県の葬式/葬儀の流れ

岡山県の葬式/葬儀の流れは、全国の葬式/葬儀の流れと、ほぼ同じ流れです。

・岡山県の葬式/葬儀の流れ
臨終→ご遺体の搬送→寺院の僧侶に来てもらい枕経→納棺→通夜→葬式/葬儀→立飯・出棺→骨上げ→初七日法要→精進落とし

・前火葬を行う地域があること
岡山県は、ほとんどの地域が後火葬です。しかし、一部、前火葬を行う地域があります。前火葬を行う場合は、通夜の翌朝に出棺、火葬、骨上げを行い、その後に葬式/葬儀を行います。

・出棺前に「立飯」という風習を行うこと
岡山県は、出棺前に、故人と最後の食事をする「立飯（たちは）」という風習を行います。この時の食事は、全国で一般的とされている精進落とし（火葬や葬式/葬儀、初七日法要の後に、親族がとる食事のこと）で出てくる精進料理と、ほぼ同じものがでます。
また、このときに、親族や関係者以外の方には食事の代わりとして、ハンカチやお茶などを配ることも多いです。

岡山県の葬式/葬儀費用の平均相場

岡山県の葬式/葬儀の平均相場は163万円です。平均相場の内訳をご説明します。
◇葬儀一式費用（式場使用料金、祭壇や当日の運営、棺や湯灌、遺影など）：95万円
◇飲食接待費用（通夜振る舞いや、お斎などの食事、飲み物の費用）：14.2万円
◇寺院費用（読経や戒名の費用）：42.6万円

葬式/葬儀費用の全国平均相場は195.7万円です。岡山県の平均相場は163万円なので、全国平均と比較して−32.7万円です。
全国平均と比較して、これだけ安価なのは、下記理由があります。

・葬式一式費用が安価に設定されていること
葬式一式費用の全国平均相場は121.4万円に対して、岡山県の葬式一式費用は95万円です。つまり、26.4万円も安いです。
関東地方、関西地方などの都心部と比べて、人口が少なく、大規模な葬式/葬儀を行う人が少ないという特徴があります。しかし、1番の理由は、亡くなる方に高齢者が多いことです。岡山県の中心部（岡山県岡山市、岡山県倉敷市）を除いた地域は、現在少子高齢化、地域の過疎化が進んでいます。そのため、亡くなる方が、高齢者の場合が多いため、大規模な葬式/葬儀を行わずに、親族のみでお見送りをする家族葬や、直葬を選択する遺族が増えました。
家族葬や直葬の場合、一般葬と比べて費用が安価になります。このことから、岡山県は葬式一式費用が安価に設定されているのです。

・通夜振る舞い、精進落としは親族のみで行うことが多いこと
飲食接待費用の全国平均相場が30.6万円であることに対して、岡山県は14.2万円です。つまり、全国平均の約半分の費用であることが分かります。
これは、通夜振る舞いや精進落としを参列者へ振る舞う地域とは異なり、これらは親族だけにふるまうため、費用が抑えられています。

岡山県の家族葬の依頼方法

先述したように、近年、岡山県は高齢化が進み、故人も高齢化していることから、葬式/葬儀は家族葬を行う遺族が増えました。
今回は、岡山県で家族葬に対応している葬式社/葬儀場をご紹介します。

＜岡山県で家族葬に対応している葬式/葬儀場＞
・ほししま葬祭
・東部典礼
・さくら祭典
・ベルモニー山陽典礼
・古里セレモニー会館
・アーバンホール
・高梁葬祭センター
・タカミ

上記は一例ですが、岡山市、倉敷市をはじめ、赤磐市（あかいわ）・阿哲郡・浅口郡・井原市、笠岡市・川上郡、瀬戸内市・総社市（そうじゃ）・玉野市、高梁市（たかはし）・津山市、都窪郡・新見市・備前市・真庭市・和気郡など、細かい市町村まで、地域密着型の葬儀屋/葬儀会社、葬儀場があります。

岡山県の葬式/葬儀場の選び方

先ほど、岡山県は家族葬を行う家庭が増えたとご説明しました。しかし、もちろん、家族葬以外の一般葬や社葬を行う方もあります。
岡山県の葬式/葬儀場を選ぶ際のポイントについて、ご紹介します。

・フラワーショップと提携している葬儀屋/葬儀会社・葬儀場を選ぶこと
葬式/葬儀といえば、ユリや菊などを使った祭壇を作ることが多いです。しかし、最近は、故人が好きだった花を使用したり、故人のイメージに合った花を使った祭壇をつくることも増えました。
特に、岡山県は温暖な地域でさまざまな種類の花が元気に育ちます。そのため、美しいピンクのバラやひまわりなどを使用した祭壇を作る人も多いです。
ただ、花を使用した祭壇を作るとなると、どうしても費用が高額になってしまいます。しかし、フラワーショップと提携している葬儀屋/葬儀会社を選ぶと、定価よりも安い金額で、華やかな祭壇を作ることができます。
地域密着の葬儀屋/葬儀会社はもちろん、大手葬儀屋/葬儀会社も、フラワーショップと提携しているところもあります。
花を使用した葬式/葬儀を希望する場合は、確認することをおすすめします。

・さまざまな宗派、風習に対応できる葬式/葬儀場を選ぶこと
冒頭でご紹介した通り、岡山県は地域によって風習が異なります。また、山陰地方（鳥取県、島根県）、兵庫県、四国地方、広島県とつながっている地域であるため、さまざまな宗派の家庭があります。
どのような宗派でも柔軟に対応できる葬式/葬儀場を選ぶことをおすすめします。